2009年 03月 22日
「我等の生涯最良の年」 |
1946年/アメリカ
監督/ウィリアム・ワイラー
出演/フレデリック・マーチ
マーナ・ロイ
ダナ・アンドリュース
テレサ・ライト
アカデミー賞8部門受賞作。監督は名匠ウィリアム・ワイラー。私はワイラー監督は、名匠の中でもトップクラスだと思っています。「女相続人」のような人間心理を描いた作品、「ローマの休日」のようなロマンチックなラブストーリー、文学作品である「嵐が丘」、西部劇の「西部の男」、歴史スペクタルの大作「ベン・ハー」・・・本当に、何を撮らせても一級品の作品に仕上げます。それ以外にも「ミニヴァー夫人」「探偵物語」「黄昏」「コレクター」「おしゃれ泥棒」「ファニー・ガール」・・・幅が広い。そして、この「我等の生涯最良の年」。帰還兵の悩み、戸惑い、家族との絆・・・戦後すぐの1946年にこれが撮れてしまうところが凄いです。
戦争が終わり、故郷に帰ってきた3人の兵士達。銀行員のアル軍曹(フレデリック・マーチ)、元ドラッグストア店員のフレッド大尉(ダナ・アンドリュース)、両腕を失ったホーマー。3人はそれぞれ新しい生き方を模索するが・・・というストーリー。
ホーマーを演じた俳優は本物の傷痍軍人。だから彼の表情はとてもリアルに感じられました。冒頭、彼が家に帰るシーン。彼の家族は温かく迎え入れる。そのシーンに、涙が出そうになりました。きっとそれは、多くの家庭で繰り広げられた光景。帰ってきた息子を、父を、夫を、恋人を、両手を広げて嬉しさ一杯で抱きしめる人達・・・。
でも、帰ってきた彼らは傷を抱えている。両腕を失ったホーマーはもちろんのこと、フレッドは戦友を亡くした痛みを抱え、夜は悪夢をみてうなされる。アルは、家庭での不在が長かったため、我が家なのに馴染めず、銀行の金ありきの姿勢に疑問を持つようになる。ラストは3人それぞれが自分があるべき場所を見つける。172分という大作だけれど、長さを感じさせないのは、この3人を丁寧に描いていて、なおかつ無駄のない作りだから。さすがワイラー監督です。
ところでホーマーの話はマーロン・ブランド主演の「男たち」に通じるものがありますね。ちょっと思い出しました。そしてこちらにもテレサ・ライトが出ていた・・・。
ちなみに私はフレッド役の人のことをず~っとフレデリック・マーチだと思い込んでいたので、ラストのエンドロールでアルの役だったと知ってビックリ。・・・考えてみたら、私はフレデリック・マーチの作品ってあまり観たことなくて、印象に残っているのがすごく若い頃、ゲイリー・クーパーと共演した「生活の設計」、あとは結構年を取ってからスペンサー・トレイシーと共演した「風の遺産」。両極端・・・彼の顔のイメージが定まっていなかったのよねえ(笑)。
(DVD)
監督/ウィリアム・ワイラー
出演/フレデリック・マーチ
マーナ・ロイ
ダナ・アンドリュース
テレサ・ライト
アカデミー賞8部門受賞作。監督は名匠ウィリアム・ワイラー。私はワイラー監督は、名匠の中でもトップクラスだと思っています。「女相続人」のような人間心理を描いた作品、「ローマの休日」のようなロマンチックなラブストーリー、文学作品である「嵐が丘」、西部劇の「西部の男」、歴史スペクタルの大作「ベン・ハー」・・・本当に、何を撮らせても一級品の作品に仕上げます。それ以外にも「ミニヴァー夫人」「探偵物語」「黄昏」「コレクター」「おしゃれ泥棒」「ファニー・ガール」・・・幅が広い。そして、この「我等の生涯最良の年」。帰還兵の悩み、戸惑い、家族との絆・・・戦後すぐの1946年にこれが撮れてしまうところが凄いです。
戦争が終わり、故郷に帰ってきた3人の兵士達。銀行員のアル軍曹(フレデリック・マーチ)、元ドラッグストア店員のフレッド大尉(ダナ・アンドリュース)、両腕を失ったホーマー。3人はそれぞれ新しい生き方を模索するが・・・というストーリー。
ホーマーを演じた俳優は本物の傷痍軍人。だから彼の表情はとてもリアルに感じられました。冒頭、彼が家に帰るシーン。彼の家族は温かく迎え入れる。そのシーンに、涙が出そうになりました。きっとそれは、多くの家庭で繰り広げられた光景。帰ってきた息子を、父を、夫を、恋人を、両手を広げて嬉しさ一杯で抱きしめる人達・・・。
でも、帰ってきた彼らは傷を抱えている。両腕を失ったホーマーはもちろんのこと、フレッドは戦友を亡くした痛みを抱え、夜は悪夢をみてうなされる。アルは、家庭での不在が長かったため、我が家なのに馴染めず、銀行の金ありきの姿勢に疑問を持つようになる。ラストは3人それぞれが自分があるべき場所を見つける。172分という大作だけれど、長さを感じさせないのは、この3人を丁寧に描いていて、なおかつ無駄のない作りだから。さすがワイラー監督です。
ところでホーマーの話はマーロン・ブランド主演の「男たち」に通じるものがありますね。ちょっと思い出しました。そしてこちらにもテレサ・ライトが出ていた・・・。
ちなみに私はフレッド役の人のことをず~っとフレデリック・マーチだと思い込んでいたので、ラストのエンドロールでアルの役だったと知ってビックリ。・・・考えてみたら、私はフレデリック・マーチの作品ってあまり観たことなくて、印象に残っているのがすごく若い頃、ゲイリー・クーパーと共演した「生活の設計」、あとは結構年を取ってからスペンサー・トレイシーと共演した「風の遺産」。両極端・・・彼の顔のイメージが定まっていなかったのよねえ(笑)。
(DVD)
by mayumi-68
| 2009-03-22 15:00
| ラ・ワ行