2009年 04月 24日
「ミルク」 |
2008年/アメリカ
監督/ガス・ヴァン・サント
出演/ショーン・ペン
ジョシュ・ブローリン
ジェームズ・フランコ
ショーン・ペンがオスカーを獲った作品。納得の演技。やっぱりこの人ってうまいわ。監督はガス・ヴァン・サント。私は彼の「ラストデイズ」はどうしても好きになれなかったんだけれど(っていうかものすごく腹が立った)、この作品はテンポが良くてとても見やすい秀作でした。そういえばこの監督は「マイ・プライベート・アイダホ」を撮ったんだよなあ・・・って思い出しました。
1970年代。ゲイの中年男ハーヴィー・ミルクは新天地を求めてサンフランシスコに移り住む。そこでゲイ・コミュニティを確立した彼は、自分達の人権を求めて政治の世界に進出する・・・というストーリー。
実話の映画化。こんな人がいたのかと素直に感心しました。まだまだ差別の激しい時代。・・・今だって差別がなくなったわけではないけれど。キリスト教の国では同性愛って難しいのかも。もちろん、日本だって難しいけれど・・・その人の権利を奪う法律まで作ろうとしないよなあ。ゲイの教師は追放!という法案には私も観ていて腹が立った。子供達に悪影響という理由で。そんな持論を繰り広げる相手にミルクは言う。「自分の両親はストレートだし、教師もストレートだった。それなのに何故自分はゲイなのだ?」と。その言葉があまりにも的を得ていたのでミルクに拍手を送りたくなったほど。
ところで私がちょっと驚いたのは冒頭のシーン。地下鉄の通路でスコット(ジェームズ・フランコ)と出逢うシーン。すれ違った瞬間にミルクは彼を呼びとめ、早速ナンパする。・・・なんでスコットがゲイだってわかるの?ゲイ同志、通じ合うものがあるんだろうか・・・。そしてこのジェームズ・フランコ、セクシーでしたね~。それとは対照的だったのがミルクの後の恋人ジャックを演じたディエゴ・ルナ・・・。何故こんな役・・・と思うぐらいにジャックが面倒くさい存在でしたね。いや、ディエゴ・ルナのせいじゃないんだけど(笑)。それにしても、ミルクの恋人達はそれまでに3人も自殺未遂してるって・・・何故・・・。ミルク、相手に対する何かが足りないんだろうか。まあ、ゲイが生きにくい時代だし、ミルクだけのせいではないんだろうけど。
あと、ミルクの同僚議員ダン・ホワイトを演じたジョシュ・ブローリン。彼はいいねー。いい俳優。いろんな役ができる。「ノーカントリー」の逃げる男、「アメリカン・ギャングスター」の悪徳刑事、「ミルク」の保守派議員、そして次の「ブッシュ」ではあのブッシュ大統領だもんね。何やってもうまい。
ミルクは快進撃を続けるけれど、突然の凶弾に倒れることになる。そんな彼の死を悼んだ光の行進に、涙が出そうになりました。あの行列の中にはゲイでなく、ストレートの人も多数いたはず。人間として当然の権利を求めた彼の言動は人々の共感と信頼を得たのだと感じることができるシーンでした。
ラスト、実際の人々の写真が映し出されるのだけれど、皆驚くほど似ていて、役者さん達の役作りに感心しました。
(シネカノン有楽町)
監督/ガス・ヴァン・サント
出演/ショーン・ペン
ジョシュ・ブローリン
ジェームズ・フランコ
ショーン・ペンがオスカーを獲った作品。納得の演技。やっぱりこの人ってうまいわ。監督はガス・ヴァン・サント。私は彼の「ラストデイズ」はどうしても好きになれなかったんだけれど(っていうかものすごく腹が立った)、この作品はテンポが良くてとても見やすい秀作でした。そういえばこの監督は「マイ・プライベート・アイダホ」を撮ったんだよなあ・・・って思い出しました。
1970年代。ゲイの中年男ハーヴィー・ミルクは新天地を求めてサンフランシスコに移り住む。そこでゲイ・コミュニティを確立した彼は、自分達の人権を求めて政治の世界に進出する・・・というストーリー。
実話の映画化。こんな人がいたのかと素直に感心しました。まだまだ差別の激しい時代。・・・今だって差別がなくなったわけではないけれど。キリスト教の国では同性愛って難しいのかも。もちろん、日本だって難しいけれど・・・その人の権利を奪う法律まで作ろうとしないよなあ。ゲイの教師は追放!という法案には私も観ていて腹が立った。子供達に悪影響という理由で。そんな持論を繰り広げる相手にミルクは言う。「自分の両親はストレートだし、教師もストレートだった。それなのに何故自分はゲイなのだ?」と。その言葉があまりにも的を得ていたのでミルクに拍手を送りたくなったほど。
ところで私がちょっと驚いたのは冒頭のシーン。地下鉄の通路でスコット(ジェームズ・フランコ)と出逢うシーン。すれ違った瞬間にミルクは彼を呼びとめ、早速ナンパする。・・・なんでスコットがゲイだってわかるの?ゲイ同志、通じ合うものがあるんだろうか・・・。そしてこのジェームズ・フランコ、セクシーでしたね~。それとは対照的だったのがミルクの後の恋人ジャックを演じたディエゴ・ルナ・・・。何故こんな役・・・と思うぐらいにジャックが面倒くさい存在でしたね。いや、ディエゴ・ルナのせいじゃないんだけど(笑)。それにしても、ミルクの恋人達はそれまでに3人も自殺未遂してるって・・・何故・・・。ミルク、相手に対する何かが足りないんだろうか。まあ、ゲイが生きにくい時代だし、ミルクだけのせいではないんだろうけど。
あと、ミルクの同僚議員ダン・ホワイトを演じたジョシュ・ブローリン。彼はいいねー。いい俳優。いろんな役ができる。「ノーカントリー」の逃げる男、「アメリカン・ギャングスター」の悪徳刑事、「ミルク」の保守派議員、そして次の「ブッシュ」ではあのブッシュ大統領だもんね。何やってもうまい。
ミルクは快進撃を続けるけれど、突然の凶弾に倒れることになる。そんな彼の死を悼んだ光の行進に、涙が出そうになりました。あの行列の中にはゲイでなく、ストレートの人も多数いたはず。人間として当然の権利を求めた彼の言動は人々の共感と信頼を得たのだと感じることができるシーンでした。
ラスト、実際の人々の写真が映し出されるのだけれど、皆驚くほど似ていて、役者さん達の役作りに感心しました。
(シネカノン有楽町)
by mayumi-68
| 2009-04-24 19:20
| マ行