2009年 05月 30日
「折れた槍」 |
1954年/アメリカ
監督/エドワード・ドミトリク
出演/スペンサー・トレイシー
ロバート・ワグナー
リチャード・ウィドマーク
親子の葛藤を描いた西部劇。スペンサー・トレイシーとリチャード・ウィドマークが共演しています。
1880年代のアメリカ南西部。大牧場主マット・デブロー(スペンサー・トレイシー)には、先妻との間に生まれた3人の息子と、今の妻であるネイティヴ・アメリカン女性との子ジョー(ロバート・ワグナー)がいた。あるとき、銅の精錬所から流れ出た鉱毒のため、マットの牛が大量に死ぬ事件が起き、抗議の果てに銃撃戦になってしまう。マットは訴えられ裁判にかけられるが、ジョーが父を救うために入獄する。ジョーを釈放するための金をつくろうとマットは牧場を売ろうとするが、土地の権利を持ち、父を憎む長男ベン(リチャード・ウィドマーク)は同意を拒否する・・・というストーリー。
私はリチャード・ウィドマークのファンなので偏った見方なのかもしれませんが・・・長男のベンが可哀想でした。父親のマットは末っ子を贔屓しすぎです。学校を辞めさせられ、10歳の頃から1日16時間も働かされたベンが父親を憎悪するのも当然。ベンは決してネイティヴ・アメリカンを嫌っていたのではなく、高圧的で自分を認めようとしない父を憎悪していたのだ。もちろん、それは認めてほしいという愛情の裏返しだったわけだけれど。だから、出獄したジョーが父が死んだのはベンのせいだと恨むのは筋違い。ベンは誰にも嘘はついていないし、何か謀ったわけでもないのだから。それなのにジョーはベンの足下に槍を突き刺す。それは宣戦布告の意味。ベンが危険を感じ、ジョーを殺そうとするのも当然。だから、ベンが死んだからめでたしめでたしっていうラストには大いに不満。マットは結局ベンを理解しようとしないで死んだのだし、もともと裁判が不利な形となったのはマットの傲慢な態度が問題だったのだから。
この映画、もともとはジョセフ・L・マンキーウィッツ監督の「他人の家」を西部劇として翻案したもの。人種差別と親子の確執を描いた社会派の西部劇ですが、ど~もスッキリしない作品でした。
(DVD)
監督/エドワード・ドミトリク
出演/スペンサー・トレイシー
ロバート・ワグナー
リチャード・ウィドマーク
親子の葛藤を描いた西部劇。スペンサー・トレイシーとリチャード・ウィドマークが共演しています。
1880年代のアメリカ南西部。大牧場主マット・デブロー(スペンサー・トレイシー)には、先妻との間に生まれた3人の息子と、今の妻であるネイティヴ・アメリカン女性との子ジョー(ロバート・ワグナー)がいた。あるとき、銅の精錬所から流れ出た鉱毒のため、マットの牛が大量に死ぬ事件が起き、抗議の果てに銃撃戦になってしまう。マットは訴えられ裁判にかけられるが、ジョーが父を救うために入獄する。ジョーを釈放するための金をつくろうとマットは牧場を売ろうとするが、土地の権利を持ち、父を憎む長男ベン(リチャード・ウィドマーク)は同意を拒否する・・・というストーリー。
私はリチャード・ウィドマークのファンなので偏った見方なのかもしれませんが・・・長男のベンが可哀想でした。父親のマットは末っ子を贔屓しすぎです。学校を辞めさせられ、10歳の頃から1日16時間も働かされたベンが父親を憎悪するのも当然。ベンは決してネイティヴ・アメリカンを嫌っていたのではなく、高圧的で自分を認めようとしない父を憎悪していたのだ。もちろん、それは認めてほしいという愛情の裏返しだったわけだけれど。だから、出獄したジョーが父が死んだのはベンのせいだと恨むのは筋違い。ベンは誰にも嘘はついていないし、何か謀ったわけでもないのだから。それなのにジョーはベンの足下に槍を突き刺す。それは宣戦布告の意味。ベンが危険を感じ、ジョーを殺そうとするのも当然。だから、ベンが死んだからめでたしめでたしっていうラストには大いに不満。マットは結局ベンを理解しようとしないで死んだのだし、もともと裁判が不利な形となったのはマットの傲慢な態度が問題だったのだから。
この映画、もともとはジョセフ・L・マンキーウィッツ監督の「他人の家」を西部劇として翻案したもの。人種差別と親子の確執を描いた社会派の西部劇ですが、ど~もスッキリしない作品でした。
(DVD)
by mayumi-68
| 2009-05-30 16:30
| ア行