2009年 08月 26日
「招かれざる客」 |
1967年/アメリカ
監督/スタンリー・クレイマー
出演/スペンサー・トレイシー
キャサリン・ヘプバーン
シドニー・ポワチエ
アシュトン・カッチャー主演のリメイク版なら観たことがありますが、あれは白人の彼が黒人のパパから反対されるという逆バージョンのコメディでした。オリジナルの本作は人種差別問題を真っ向から捉えてます。
ドクター・ジョン(シドニー・ポワチエ)は白人女性ジョーイ(キャサリン・ホートン)と人種の壁を越えて愛し合い、結婚を誓い合う。彼はジョーイと共に彼女の家を訪れるが、父(スペンサー・トレイシー)と母(キャサリン・ヘプバーン)はあまりのことに動揺を隠せない。そして、ジョンの両親までもがジョーイの家にやって来る・・・というストーリー。
本音と建前。たとえリベラルな考えの持ち主でも、いざ我が身のこととして目の前に提示されると保守的になる。私達はスペンサー・トレイシー演じる父をそう簡単に批判できないのです。頭ではわかっている。でも感情は別物。ただ、ドクター・ジョンは本当に優秀で理知的で、素晴らしい人物。何より、ジョーイを深く愛していて、ジョーイも彼を愛している。これ、親は悩むだろうなあ、と思うのです。しかも、すぐに結論を出してほしいとジョーイは言う。ジョージはせっかちで、一分一秒彼と一緒にいたい。すぐに結婚したい。ただ、それだけ彼女には迷いがないし、肌の色なんて全く関係ないのです。曇りのない目で相手を見ることができる彼女は素晴らしいですよね。
逆に、同じ黒人であるにも関わらず、反対するジョーイの家のメイド。彼女の中には奴隷時代の卑屈な根性が居座ってしまっている気がする。そして、印象的だったのが、反対する父に対し、ジョンが言うこのセリフ。
「父さんは自分のことを黒人と思っているけれど、僕は自分のことを人間と思っているんだ!」
このセリフがズシリときましたね。肌の色よりも、まず人間として相手を敬い、認めること。当たり前のことだけれど、それが当たり前ではなかった時代があったということですよね。
シドニー・ポワチエは知的な役が本当に似合うし、悩める両親のスペンサー・トレイシーとキャサリン・ヘプバーンはさすが息の合ったコンビぶりでした。
重くなりがちなテーマですが、ラストは微笑むことができる、そんな作品でした。
(地上波)
監督/スタンリー・クレイマー
出演/スペンサー・トレイシー
キャサリン・ヘプバーン
シドニー・ポワチエ
アシュトン・カッチャー主演のリメイク版なら観たことがありますが、あれは白人の彼が黒人のパパから反対されるという逆バージョンのコメディでした。オリジナルの本作は人種差別問題を真っ向から捉えてます。
ドクター・ジョン(シドニー・ポワチエ)は白人女性ジョーイ(キャサリン・ホートン)と人種の壁を越えて愛し合い、結婚を誓い合う。彼はジョーイと共に彼女の家を訪れるが、父(スペンサー・トレイシー)と母(キャサリン・ヘプバーン)はあまりのことに動揺を隠せない。そして、ジョンの両親までもがジョーイの家にやって来る・・・というストーリー。
本音と建前。たとえリベラルな考えの持ち主でも、いざ我が身のこととして目の前に提示されると保守的になる。私達はスペンサー・トレイシー演じる父をそう簡単に批判できないのです。頭ではわかっている。でも感情は別物。ただ、ドクター・ジョンは本当に優秀で理知的で、素晴らしい人物。何より、ジョーイを深く愛していて、ジョーイも彼を愛している。これ、親は悩むだろうなあ、と思うのです。しかも、すぐに結論を出してほしいとジョーイは言う。ジョージはせっかちで、一分一秒彼と一緒にいたい。すぐに結婚したい。ただ、それだけ彼女には迷いがないし、肌の色なんて全く関係ないのです。曇りのない目で相手を見ることができる彼女は素晴らしいですよね。
逆に、同じ黒人であるにも関わらず、反対するジョーイの家のメイド。彼女の中には奴隷時代の卑屈な根性が居座ってしまっている気がする。そして、印象的だったのが、反対する父に対し、ジョンが言うこのセリフ。
「父さんは自分のことを黒人と思っているけれど、僕は自分のことを人間と思っているんだ!」
このセリフがズシリときましたね。肌の色よりも、まず人間として相手を敬い、認めること。当たり前のことだけれど、それが当たり前ではなかった時代があったということですよね。
シドニー・ポワチエは知的な役が本当に似合うし、悩める両親のスペンサー・トレイシーとキャサリン・ヘプバーンはさすが息の合ったコンビぶりでした。
重くなりがちなテーマですが、ラストは微笑むことができる、そんな作品でした。
(地上波)
by mayumi-68
| 2009-08-26 15:00
| マ行