2009年 09月 05日
「華麗なる激情」 |
1964年/アメリカ、イタリア
監督/キャロル・リード
出演/チャールトン・ヘストン
レックス・ハリソン
チャールトン・ヘストンは生まれる時代を間違えた!絶対中世に生まれるべきだった!と思えるぐらいに時代物が似合う人。そんな彼が今作ではあのダヴィデ像で有名なミケランジェロを演じています。監督は「第三の男」のキャロル・リード。
システナ礼拝堂のあまりにも有名な天井画。これは彫刻の巨匠ミケランジェロが描いたもの。彼は時の権力者・教皇ユリウス2世に強制されて描いたのだった。最初は嫌々だったミケランジェロだが、彼の信仰心、そして芸術への情熱が、絵を素晴らしいものへとしていく・・・というストーリー。
映画の冒頭、ミケランジェロの素晴らしい作品群が紹介されます。それらを見ていると、ああ、やはり彫刻の大家であると思うのだけれど、そんな彼にフラスコ画を描かせようとしたユリウス2世は芸術を見る目があったんですねえ、きっと。ミケランジェロは「絵は得意じゃない」などと言いながら、素晴らしい絵を描くんですから。あれで得意じゃないなんて、嫌味にしか聞こえないわ、と思うぐらい。あのラファエロだって脱帽するぐらいなんだから。
ぶつかりあってばかりいたミケランジェロとユリウス2世だけれど、両者の間には友情に近い感情が芽生える。2人が神とアダムの絵を前に語り合うシーンは印象的。ミケランジェロは「神は純粋無垢な人間をお造りになった。そして、人間は創造された感謝を神に伝えている」と語る。・・・戦乱の世の中だけれど、神が創造した時の人間は、戦いなど知らなかった、と。それを聞く、戦いに疲れたユリウス2世の表情が心に残りました。ミケランジェロは絵を描くことで神と対話し、ユリウス2世は戦うことで教会を、神を守ろうとしていた。なんて対極にある2人だろう、と思わずにはいられませんでした。
ミケランジェロのチャールトン・ヘストン、ユリウス2世のレックス・ハリソン、この二人の名優の演技が素晴らしく、140分という長さを感じさせない傑作でした。
(DVD)
監督/キャロル・リード
出演/チャールトン・ヘストン
レックス・ハリソン
チャールトン・ヘストンは生まれる時代を間違えた!絶対中世に生まれるべきだった!と思えるぐらいに時代物が似合う人。そんな彼が今作ではあのダヴィデ像で有名なミケランジェロを演じています。監督は「第三の男」のキャロル・リード。
システナ礼拝堂のあまりにも有名な天井画。これは彫刻の巨匠ミケランジェロが描いたもの。彼は時の権力者・教皇ユリウス2世に強制されて描いたのだった。最初は嫌々だったミケランジェロだが、彼の信仰心、そして芸術への情熱が、絵を素晴らしいものへとしていく・・・というストーリー。
映画の冒頭、ミケランジェロの素晴らしい作品群が紹介されます。それらを見ていると、ああ、やはり彫刻の大家であると思うのだけれど、そんな彼にフラスコ画を描かせようとしたユリウス2世は芸術を見る目があったんですねえ、きっと。ミケランジェロは「絵は得意じゃない」などと言いながら、素晴らしい絵を描くんですから。あれで得意じゃないなんて、嫌味にしか聞こえないわ、と思うぐらい。あのラファエロだって脱帽するぐらいなんだから。
ぶつかりあってばかりいたミケランジェロとユリウス2世だけれど、両者の間には友情に近い感情が芽生える。2人が神とアダムの絵を前に語り合うシーンは印象的。ミケランジェロは「神は純粋無垢な人間をお造りになった。そして、人間は創造された感謝を神に伝えている」と語る。・・・戦乱の世の中だけれど、神が創造した時の人間は、戦いなど知らなかった、と。それを聞く、戦いに疲れたユリウス2世の表情が心に残りました。ミケランジェロは絵を描くことで神と対話し、ユリウス2世は戦うことで教会を、神を守ろうとしていた。なんて対極にある2人だろう、と思わずにはいられませんでした。
ミケランジェロのチャールトン・ヘストン、ユリウス2世のレックス・ハリソン、この二人の名優の演技が素晴らしく、140分という長さを感じさせない傑作でした。
(DVD)
by mayumi-68
| 2009-09-05 14:30
| カ行