2009年 11月 02日
「ジェニンの心」 |
2008年/ドイツ、イスラエル
監督/マルクス・フェッター、レオン・ゲラー
難民映画祭で上映された作品。UNHCRから会社が映像を借りてきて、社内上映されたので観賞しました。
イスラエル軍によって誤射され亡くなったパレスチナの少年。父親の決断により、少年の臓器はイスラエルの子供の患者達に移植されることになる・・・というドキュメンタリー。
いつも思うのですが、事実は小説より遥かに深いです。もし、自分が少年の父親だったら、イスラエル軍に殺された息子の臓器をイスラエルの子供達に提供するだなんて、絶対に思えません。どれほどの寛容さが必要か、想像できないぐらいです。綺麗事では片付けられない、根深い問題が目の前に横たわっているのです。この父親の決断は、命の尊さを真に理解しているからこそでしょう。悲しみの中での潔い、勇気ある決断。
一方、提供される側は6人。全員イスラエル人だけれど、全員ユダヤ教であるというわけではなく、民族も違う人もいる。その中で印象深かったのが、敬虔なユダヤ教徒の父親。手術中、提供されたのがパレスチナの少年の臓器と知らない彼は、インタビューに「もらうならユダヤ人がいい」などと応えます。提供者が誰かを伝えないでその質問をするのは少々意地悪な気もしますが、やはりあのインタビューの回答は観ていて腹が立ちます。もちろん彼としてはまさかパレスチナ人が提供してくれるとは思ってもいなくて、あんな発言になったんでしょうけれど。あの後彼は反省して、パレスチナ少年の父親の訪問を受けます。その訪問はとても気まずい時間だったけれど、それでも撮影を許可した彼は潔かったのでは?と思います。6人の患者のうち、2名は撮影を拒否したらしいし。
少年の父親は、貧しい子供達のために施設で働くようになる。彼の死は、父親の生き方そのものを変えたんですね。
そして、命を受け継いだイスラエルの子供達が、パレスチナとの架け橋になってくれるようにと、願ってやみません。
監督/マルクス・フェッター、レオン・ゲラー
難民映画祭で上映された作品。UNHCRから会社が映像を借りてきて、社内上映されたので観賞しました。
イスラエル軍によって誤射され亡くなったパレスチナの少年。父親の決断により、少年の臓器はイスラエルの子供の患者達に移植されることになる・・・というドキュメンタリー。
いつも思うのですが、事実は小説より遥かに深いです。もし、自分が少年の父親だったら、イスラエル軍に殺された息子の臓器をイスラエルの子供達に提供するだなんて、絶対に思えません。どれほどの寛容さが必要か、想像できないぐらいです。綺麗事では片付けられない、根深い問題が目の前に横たわっているのです。この父親の決断は、命の尊さを真に理解しているからこそでしょう。悲しみの中での潔い、勇気ある決断。
一方、提供される側は6人。全員イスラエル人だけれど、全員ユダヤ教であるというわけではなく、民族も違う人もいる。その中で印象深かったのが、敬虔なユダヤ教徒の父親。手術中、提供されたのがパレスチナの少年の臓器と知らない彼は、インタビューに「もらうならユダヤ人がいい」などと応えます。提供者が誰かを伝えないでその質問をするのは少々意地悪な気もしますが、やはりあのインタビューの回答は観ていて腹が立ちます。もちろん彼としてはまさかパレスチナ人が提供してくれるとは思ってもいなくて、あんな発言になったんでしょうけれど。あの後彼は反省して、パレスチナ少年の父親の訪問を受けます。その訪問はとても気まずい時間だったけれど、それでも撮影を許可した彼は潔かったのでは?と思います。6人の患者のうち、2名は撮影を拒否したらしいし。
少年の父親は、貧しい子供達のために施設で働くようになる。彼の死は、父親の生き方そのものを変えたんですね。
そして、命を受け継いだイスラエルの子供達が、パレスチナとの架け橋になってくれるようにと、願ってやみません。
by mayumi-68
| 2009-11-02 18:00
| サ行