2006年 10月 28日
「クロイツェル・ソナタ」 |
2006年/イタリア
監督/マウリツィオ・シャッラ
出演/ジョルジュ・パソッティ
ヴァネッサ・インコントラーダ
トルストイの短編小説「クロイツェル・ソナタ」を基にした作品。
主演は「トリノ、24時からの恋人たち」のジョルジュ・パソッティ。この人って俳優になる前は中国でマーシャルアーツの修行をしていたんだとか。変わり種ですね。でも確かに、スーツを着ていると細身なのに、脱ぐと結構逞しい体つきなので、マーシャルアーツというのは納得。アクションシーンがないのが残念なぐらいに(笑)。
資産家の息子アンドレアは、ピアニストのアントニオを一目観て恋に落ちる。二人はすぐに結婚するが、些細な行き違いから結婚は破綻していく。アンドレアは妻の男性関係に激しい嫉妬を覚えるが・・・というお話。
夫の視点で観るか、妻の視点で観るかで大きく意見の分かれるところだと思うけれど、私は夫のアンドレアの視点で観てたので、辛かったですね。彼は妻を本当に心の底から愛していたのに伝えきれないもどかしさ。愛のない家庭で育ったアンドレアが望んだ幸せな家庭。それを手中にしたのに、零れ落ちていく砂のように、失っていく怖さ、切なさ。
私から見たら、アンドレアは夫として完璧なんだけどね。お金持ちで、カッコ良くて、子供をかわいがっていて、何よりも自分を愛してくれている。これ以上何を望む?でも、きっとアントニオは、ピアニストとしての自分を捨てきれなかったんだと思う。そして、芸術家としての自分を認めてくれない夫にも、納得できなかったんだろう。
愛ゆえの悲劇。クロイツェル・ソナタの調べが、その悲劇性を増しているように感じられた作品でした。
(東京国際映画祭 オーチャードホール)
監督/マウリツィオ・シャッラ
出演/ジョルジュ・パソッティ
ヴァネッサ・インコントラーダ
トルストイの短編小説「クロイツェル・ソナタ」を基にした作品。
主演は「トリノ、24時からの恋人たち」のジョルジュ・パソッティ。この人って俳優になる前は中国でマーシャルアーツの修行をしていたんだとか。変わり種ですね。でも確かに、スーツを着ていると細身なのに、脱ぐと結構逞しい体つきなので、マーシャルアーツというのは納得。アクションシーンがないのが残念なぐらいに(笑)。
資産家の息子アンドレアは、ピアニストのアントニオを一目観て恋に落ちる。二人はすぐに結婚するが、些細な行き違いから結婚は破綻していく。アンドレアは妻の男性関係に激しい嫉妬を覚えるが・・・というお話。
夫の視点で観るか、妻の視点で観るかで大きく意見の分かれるところだと思うけれど、私は夫のアンドレアの視点で観てたので、辛かったですね。彼は妻を本当に心の底から愛していたのに伝えきれないもどかしさ。愛のない家庭で育ったアンドレアが望んだ幸せな家庭。それを手中にしたのに、零れ落ちていく砂のように、失っていく怖さ、切なさ。
私から見たら、アンドレアは夫として完璧なんだけどね。お金持ちで、カッコ良くて、子供をかわいがっていて、何よりも自分を愛してくれている。これ以上何を望む?でも、きっとアントニオは、ピアニストとしての自分を捨てきれなかったんだと思う。そして、芸術家としての自分を認めてくれない夫にも、納得できなかったんだろう。
愛ゆえの悲劇。クロイツェル・ソナタの調べが、その悲劇性を増しているように感じられた作品でした。
(東京国際映画祭 オーチャードホール)
by mayumi-68
| 2006-10-28 16:20
| カ行