2007年 08月 21日
「ミリキタニの猫」 |
2006年/アメリカ
監督/リンダ・ハッテンドーフ
出演/ジミー・ツトム・ミリキタニ
すごく良い作品でした。今年公開された作品の中で一番良かったです。
ニューヨークの路上でアーティストとして生きるジミー・ミリキタニ。彼と偶然出逢ったリンダ・ハッテンドーフは彼を家に招き、彼の人生を追っていく。ドキュメンタリーだが、非常に良く出来ている。
ジミーは、サクラメント生まれの日本人。第二次世界大戦中、日系人強制収容所に送られ、半ば強制的に市民権を奪われた。それからずっと彼はアメリカ政府を信じず、反骨の人生を送ってきた。彼が故郷である広島の原爆について語った8月の映像。一瞬だが、ビルとビルの間に世界貿易センタービルが映り、ドキリとする。その一ヵ月後、同時多発テロによりビルは崩壊する。ジミーはその様子を絵に描く。その後、報復に動いていくアメリカをジミーはどんな目で見つめたのか。
自らの収容所体験を語り、「アメリカの社会保険番号はいらない。日本のパスポートがあればいい」と言い切るジミー。しかし彼はアメリカを離れない。何故か。心のどこかで、やはりアメリカを愛しているからだ。愛していたからこそ、裏切られた時のショックが大きかったのだろう。
後半、ジミーの人生は大きな転換期を迎える。80歳を超えて、これほどまでに人生に変化が訪れるとは!ジミーにとって、リンダと出逢ったことは運命だったのだろう。
現在のジミーが描く絵は、カラフルでエキセントリック。しかし、若い頃のジミーの絵は見事な水墨画で、その違いに驚かされる。長い年月の間、彼と共に変わっていった絵。これからも進化していくのではないか。そんな気がした。
各国の様々な映画賞で賞を総ナメにしているこの作品。それも納得の素晴らしい出来でした。
(試写会 明治安田生命ホール)
監督/リンダ・ハッテンドーフ
出演/ジミー・ツトム・ミリキタニ
すごく良い作品でした。今年公開された作品の中で一番良かったです。
ニューヨークの路上でアーティストとして生きるジミー・ミリキタニ。彼と偶然出逢ったリンダ・ハッテンドーフは彼を家に招き、彼の人生を追っていく。ドキュメンタリーだが、非常に良く出来ている。
ジミーは、サクラメント生まれの日本人。第二次世界大戦中、日系人強制収容所に送られ、半ば強制的に市民権を奪われた。それからずっと彼はアメリカ政府を信じず、反骨の人生を送ってきた。彼が故郷である広島の原爆について語った8月の映像。一瞬だが、ビルとビルの間に世界貿易センタービルが映り、ドキリとする。その一ヵ月後、同時多発テロによりビルは崩壊する。ジミーはその様子を絵に描く。その後、報復に動いていくアメリカをジミーはどんな目で見つめたのか。
自らの収容所体験を語り、「アメリカの社会保険番号はいらない。日本のパスポートがあればいい」と言い切るジミー。しかし彼はアメリカを離れない。何故か。心のどこかで、やはりアメリカを愛しているからだ。愛していたからこそ、裏切られた時のショックが大きかったのだろう。
後半、ジミーの人生は大きな転換期を迎える。80歳を超えて、これほどまでに人生に変化が訪れるとは!ジミーにとって、リンダと出逢ったことは運命だったのだろう。
現在のジミーが描く絵は、カラフルでエキセントリック。しかし、若い頃のジミーの絵は見事な水墨画で、その違いに驚かされる。長い年月の間、彼と共に変わっていった絵。これからも進化していくのではないか。そんな気がした。
各国の様々な映画賞で賞を総ナメにしているこの作品。それも納得の素晴らしい出来でした。
(試写会 明治安田生命ホール)
by mayumi-68
| 2007-08-21 19:00
| マ行