2008年 09月 24日
「グーグーだって猫である」 |
2008年/日本
監督/犬童 一心
出演/小泉 今日子
上野 樹里
加瀬 亮
漫画家大島弓子原作。主役は小泉今日子。
漫画家の麻子は長い間一緒に暮らした愛猫サバを亡くす。深く悲しむ彼女だったが、グーグーと名付けた猫を飼い始める。新たな恋の予感もあった矢先、彼女は病気になってしまう・・・というストーリー。
私は飼うなら断然”犬派”なのですが、生まれ変わるなら猫になりたいと思っています。だって犬は人間に従順だけれど、わりとご主人様に振り回されてると思うから。お散歩だって、自分の行きたい時間にいけないし。でも猫は自由気まま。人間に愛想振りまかなくたって「猫だから気まぐれだし」で許してもらえる。得してるなー。猫(笑)。
実はこの作品、先に観た同僚が「あまり面白くなかった」と言っていたから、どうなんだろ・・・と思って観たのですが、この緩い雰囲気は嫌いじゃないですね。死生観のようなものも感じました。
何より冒頭、麻子先生のサバが「さよなら」と死んでしまうシーン。誰にも気付かれず、一人逝ってしまうシーン。私はそこで泣きそうになってしまったのです。これって飼い主にとっては悔やんでも悔やみきれない傷になります。犬でも猫でも、一人で逝かせたくはないんです。そんな寂しいことってありません。
麻子先生にとって、サバは単なるペットではなく、自分の苦楽を見守っていてくれた家族。そんな彼女がグーグーを飼うまでどれほどの葛藤があったかというのは察するに余りある。でも結局、前の子の喪失感を埋めてくれるのは新しい子なんだよね。前の子との生活が幸せだったから、新しい子を飼おうと思う。そういう人って沢山いると思います。
麻子先生を演じたのは小泉今日子。好演していると思いますが、ちょっとホワ~ンとしすぎというか・・・。こう言っては何ですが、人間それなりに年をとれば、どんなにボーっとした人でもそれなりにしっかりし、イヤな言い方をすればトウが立つのです。でも麻子先生は夢見がちな少女みたいで、正直観ていてイラッとすることも・・・。ただ、彼女の周りの人物・・・上野樹里や森三中がパワフルなので、そのぼんやり感は緩和されてますけどね。
ところで、出演陣、面白いですね。加瀬亮や上野樹里、森三中はメインキャラだけれど、それ以外のゲストキャラ。たとえば、麻子先生の出版記念パーティーに、漫画家の楳図かずおや槇村さとるが出ているのを観ておかしくなってしまいました。
あと、メガデスの元ギタリスト、マーティ・フリードマン。世界的ロックバンドの名ギタリストでありながら、日本に魅せられ、バンドを脱退してまで日本に拠点を据えた人。彼の日本語は独学っていうからスゴイ。ちなみに彼が一番好きな日本の歌手は美空ひばりだそうだ。・・・渋いな。
なんとなく、大島弓子のマンガを読んでみたくなりましたね。少女が急速に年をとっていってしまう話とか・・・シュールですよね。そしてそれは、人間の何倍ものスピードで年をとっていく猫に重なるんだよね。なんか、深いなあ・・・と。しみじみしちゃいましたね。
(TOHOシネマズ ららぽーと横浜)
監督/犬童 一心
出演/小泉 今日子
上野 樹里
加瀬 亮
漫画家大島弓子原作。主役は小泉今日子。
漫画家の麻子は長い間一緒に暮らした愛猫サバを亡くす。深く悲しむ彼女だったが、グーグーと名付けた猫を飼い始める。新たな恋の予感もあった矢先、彼女は病気になってしまう・・・というストーリー。
私は飼うなら断然”犬派”なのですが、生まれ変わるなら猫になりたいと思っています。だって犬は人間に従順だけれど、わりとご主人様に振り回されてると思うから。お散歩だって、自分の行きたい時間にいけないし。でも猫は自由気まま。人間に愛想振りまかなくたって「猫だから気まぐれだし」で許してもらえる。得してるなー。猫(笑)。
実はこの作品、先に観た同僚が「あまり面白くなかった」と言っていたから、どうなんだろ・・・と思って観たのですが、この緩い雰囲気は嫌いじゃないですね。死生観のようなものも感じました。
何より冒頭、麻子先生のサバが「さよなら」と死んでしまうシーン。誰にも気付かれず、一人逝ってしまうシーン。私はそこで泣きそうになってしまったのです。これって飼い主にとっては悔やんでも悔やみきれない傷になります。犬でも猫でも、一人で逝かせたくはないんです。そんな寂しいことってありません。
麻子先生にとって、サバは単なるペットではなく、自分の苦楽を見守っていてくれた家族。そんな彼女がグーグーを飼うまでどれほどの葛藤があったかというのは察するに余りある。でも結局、前の子の喪失感を埋めてくれるのは新しい子なんだよね。前の子との生活が幸せだったから、新しい子を飼おうと思う。そういう人って沢山いると思います。
麻子先生を演じたのは小泉今日子。好演していると思いますが、ちょっとホワ~ンとしすぎというか・・・。こう言っては何ですが、人間それなりに年をとれば、どんなにボーっとした人でもそれなりにしっかりし、イヤな言い方をすればトウが立つのです。でも麻子先生は夢見がちな少女みたいで、正直観ていてイラッとすることも・・・。ただ、彼女の周りの人物・・・上野樹里や森三中がパワフルなので、そのぼんやり感は緩和されてますけどね。
ところで、出演陣、面白いですね。加瀬亮や上野樹里、森三中はメインキャラだけれど、それ以外のゲストキャラ。たとえば、麻子先生の出版記念パーティーに、漫画家の楳図かずおや槇村さとるが出ているのを観ておかしくなってしまいました。
あと、メガデスの元ギタリスト、マーティ・フリードマン。世界的ロックバンドの名ギタリストでありながら、日本に魅せられ、バンドを脱退してまで日本に拠点を据えた人。彼の日本語は独学っていうからスゴイ。ちなみに彼が一番好きな日本の歌手は美空ひばりだそうだ。・・・渋いな。
なんとなく、大島弓子のマンガを読んでみたくなりましたね。少女が急速に年をとっていってしまう話とか・・・シュールですよね。そしてそれは、人間の何倍ものスピードで年をとっていく猫に重なるんだよね。なんか、深いなあ・・・と。しみじみしちゃいましたね。
(TOHOシネマズ ららぽーと横浜)
by mayumi-68
| 2008-09-24 19:10
| カ行